先に答え:codex doctor はターミナルで打つコマンドです
codex doctor は Codex CLI のサブコマンドで、PowerShell やシェルなどのターミナルで codex doctor と打って実行します。チャットの中で使う /status のようなスラッシュコマンドではありません。2026年9月29日に確認した公式のスラッシュコマンド一覧(CLI・IDE拡張)に /doctor という項目は無く、公式のコマンド一覧では成熟度が stable(正式に対応・文書化されていて、挙動や設定が安定している段階)と示されています。
チャットの中で今のセッションの状態を見たい時は /status、設定がどの層から効いているかを見たい時は /debug-config を使います(下の比較表を参照)。
出典:OpenAI「Command line options」「Slash commands in Codex CLI」「Feature Maturity」(2026年9月29日に確認)
codex doctorとは
codex doctor は、Codex の手元の状態を診断するコマンドです。公式ドキュメントでは、サポートへの問い合わせ前や、うまく動かないインストールを調べる時に使う診断レポートとして案内されています。Codexが起動しない、認証が通らない、設定まわりが怪しい、といった時に、まず現在の状態を見える化するために使います。
doctor の結果は「この設定に変えれば必ず直る」という指示ではありません。出力された項目を手がかりに、インストール、設定、認証、実行環境、Git などのどこで止まっているのかを分けて見ます。
codex doctorを使う場面
- Codex CLIが起動しない、または途中で止まる時
- ログイン状態や認証状態が分からない時
- 認証エラー、接続エラー、権限エラーの切り分けをしたい時
- ネットワーク接続やプロキシ、社内環境の影響が気になる時
- 設定ファイルやローカル状態を確認したい時
- 不具合報告や問い合わせ前に、状態を整理したい時
- GPTや別のAIに相談する前に、貼ってよい範囲の診断メモを作りたい時
codex doctorで確認する項目(公式の8分類)
2026年9月24日時点の公式ドキュメントでは、診断レポートは次の8つの状態を確認すると説明されています。「見ること」「注意点」は、結果を読む時の考え方として当サイトで整理したものです。実際の表示はバージョンや環境で変わります。
| 項目 | 見ること | 注意点 |
|---|---|---|
| インストール(installation) | Codex が正しく入っていて起動できるか | 再インストールの前に、結果を控えておく |
| 設定(configuration) | config.toml などの設定の読み込み | 結果だけを見て勝手に変更しない |
| 認証(authentication) | ログインや認証の状態 | トークンや秘密情報を貼らない |
| 実行環境(runtime) | Codex が動く環境 | OSやCLIのバージョン差に注意する |
| Git | Git の状態 | リポジトリ名やパスが出ることがある |
| ターミナル(terminal) | ターミナル環境 | 表示崩れ、実行ポリシー、権限に注意する |
| app-server | Codex のアプリやIDE拡張を動かしている仕組みの状態 | デスクトップアプリやIDE拡張だけ動かない時の手がかりになる |
| スレッド一覧(thread inventory) | 保存されている会話(スレッド)の一覧 | 削除、初期化、リセットは慎重に行う |
codex doctorの基本コマンドとオプション
まずは通常の診断を実行します。出力が長い場合は、エラーや warning の周辺だけでなく、どの項目が成功し、どの項目が確認待ちなのかも見ます。
codex doctor
2026年9月24日時点の公式ドキュメントに載っているオプションは次の5つです。
| オプション | 何をするか | 使う場面 |
|---|---|---|
--summary | 分類ごとの結果の行と、最後の件数のまとめだけを表示する | まず全体をつかみたい時 |
--all | 詳しい表示で、長い一覧を省略せずに表示する | 気になる分類を詳しく見たい時 |
--json | 伏せ字処理をした、機械で読める形式のサポート用レポートを出力する | 報告書や問い合わせに添える時 |
--ascii | 状態の表示や区切りを ASCII 文字だけで表示する | 記号が崩れて表示されるターミナル |
--no-color | 色を付けずに表示する | 結果をテキストとして保存する時 |
codex doctor --summary
codex doctor --json
--json と報告書への貼り方
--json は、公式ドキュメントでは伏せ字処理(redacted)をしたサポート用レポートを出力するオプションと説明されています。報告書や別ツールで整理しやすい形式ですが、伏せ字処理があっても、貼る前に、パス、ユーザー名、リポジトリ名、設定値、環境変数のような情報が残っていないか確認します。
報告書へ貼る前の整理例
codex doctor 確認:
- 実行日時: 2026-05-25
- 実行環境: Windows / PowerShell など
- 気になる項目: 認証で警告が出た。ほかの分類は問題なし
- 伏せた情報: ユーザー名、ローカルパス、認証情報
- 次に確認したいこと: ログイン状態とCLIバージョン
codex doctor と /status・codex login status・/debug-config の違い
似た名前の確認コマンドが4つあります。公式ドキュメントの説明に沿って、何を見るものかを分けます。
| コマンド | どこで打つか | 公式の説明(要約) |
|---|---|---|
codex doctor | ターミナル | インストール・設定・認証・実行環境・Git・ターミナル・app-server・スレッド一覧の診断レポートを作る |
codex login status | ターミナル | 今の認証方式を表示し、ログイン済みなら終了コード 0 で終わる(自動化スクリプト向き) |
/status | チャットの中 | セッションの設定とトークン使用量を表示する。使用中のモデル、承認ポリシー、書き込み可能なディレクトリ、残りのコンテキスト容量の確認に使う |
/debug-config | チャットの中 | 設定の層(優先順位)と要件の診断を表示する。有効な設定が config.toml と違う理由を調べる時に使う |
出典:OpenAI「Command line options」「Slash commands in Codex CLI」(2026年9月29日に確認)
最近の変更(公式の変更履歴から)
公式の変更履歴の Codex CLI 各版の詳細に載っている、codex doctor に関わる変更です。古い版では表示が違うことがあります。
- 0.157.0(2026年9月25日):壊れた SQLite データベースを doctor の出力で特定する。パスと URL を確認結果の状態に応じて色分けする
- 0.156.0(2026年9月22日):対話に使えない単純なターミナル(dumb terminal)は警告として扱う。環境変数が無い時の診断を残す。ファイルシステムのパスの診断(件数の上限付き)を追加する。エラー表示に設定値を出さない
- 0.155.0(2026年9月17日):設定済みの app-server の更新(updater)設定を doctor に表示する
手元の版は codex --version で確認できます。
出典:OpenAI「ChatGPT & Codex changelog」Codex CLI 0.155.0 / 0.156.0 / 0.157.0 の詳細、「Troubleshooting」(2026年9月29日に確認)
Codexが動かない時の切り分けの流れ
- まず
codex doctorで状態を確認する - エラーや警告が出ている分類(インストール、設定、認証、実行環境、Git など)を控える。全体をつかむだけなら
codex doctor --summaryを使う - 診断結果をそのまま公開せず、秘密情報を伏せる
- すぐに設定変更や削除をせず、関連ページや公式情報を確認する
- 報告書に「確認したこと」「伏せたこと」「次に試すこと」を分けて書く
エラー・症状ごとの対処(公式の文書から)
doctor を打つ前に、画面や端末に出ている症状で当たりをつけると早く済みます。次の表は、OpenAI 公式の文書に書かれている症状と対処だけを並べたものです。公式に書かれていない文言や対処は入れていません。
| 出ていること | 公式の説明 | 公式の対処 |
|---|---|---|
| 利用上限に達した | 作業中のターンで上限に達しても、そのターンは続けられる(公正な利用の範囲で) | 残りは使用量のダッシュボード、CLI では /status で見る。Plus・Pro は追加のクレジットを買える。Business・Edu・Enterprise は柔軟な料金のプランならワークスペースのクレジットを足せる。API キーで動かす分は API の標準料金 |
設定を書き換えたら起動しなくなった(approval_policy = "untrusted" が残っている) | untrusted は廃止された値で、残っていると起動できないことがある | 自分の設定・プロジェクトの設定・プロファイル・起動スクリプトから消す。読むだけで対話したいなら sandbox_mode = "read-only" と approval_policy = "on-request" |
| ネットにつなぐコマンドで止まる・確認を求められる | 既定の workspace-write では、ネットワークはオフ | 確認して通すか、config.toml の [sandbox_workspace_write] に network_access = true を書く |
| 「Approve for me」が出ない・選べない | アプリの版、ローカルかクラウドか、設定、組織の要件で選べるモードが変わる | アプリを更新し、その会話の権限メニューを見る。ローカルなら features.guardian_approval = false が書かれていないか、権限プロファイル・承認の設定・approvals_reviewer を確かめる。組織のワークスペースでは管理者に確認してもらう |
| CLI では使える機能がデスクトップアプリで使えない | デスクトップアプリと CLI に入っている Codex の版が違うことがある | CLI は codex --version で版を見る。機能は片方に先に届くことがある |
| 会話が止まったまま進まない | 承認待ちで止まっていることがある | 承認待ちになっていないかを見る → ターミナルで git status などの簡単なコマンドを打つ → 小さく絞った依頼で新しいチャットを始める |
| ブラウザでのログインが戻ってこない(リモート・ヘッドレス環境) | 手元のネットワークが、ログイン後にトークンを返す localhost への戻りを塞いでいることがある | デバイスコードでのログイン(ベータ)を使う。対話の画面で Sign in with Device Code を選ぶか codex login --device-auth。ログインの記録は codex-login.log に残る |
| 会社のネットワークでログインや通信が通らない(TLS のプロキシ・社内のルート証明書) | 独自の証明書を使うネットワークでは、証明書の束を指定する必要がある | ログインの前に環境変数 CODEX_CA_CERTIFICATE に PEM の束を指定する(未設定なら SSL_CERT_FILE を使う) |
| アクセストークンのページが 404 や forbidden になる | 公式は原因を書かず、ロールに付いている権限を確かめるよう案内している | ワークスペースのオーナーに、個人用アクセストークンの作成や Codex のローカル利用が許可されているかを確かめてもらう |
| Codex が編集していないファイルが差分の欄に出る | Git のリポジトリでは、差分の欄はリポジトリの状態をそのまま出すため、Codex 以外の変更も並ぶ | 直前のターンの変更だけ見たい時は、差分の欄を Last turn の表示に切り替える |
表で当たりがつかない時は、上の流れのとおり codex doctor で状態を見てから、公式の GitHub の issue を探します。ログを人に渡す前に、秘密情報が入っていないかを確かめてください(下の「貼らない情報」)。
出典: OpenAI公式ドキュメント Troubleshooting・Agent approvals & security・Authentication・Codex pricing(よくある質問)。2026年10月14日に確認。
診断結果に貼らない方がよい情報
| 貼らない情報 | 理由 | 代わりにどう書くか |
|---|---|---|
| 認証トークン | 第三者に使われる可能性がある | 「auth周辺でエラー」と書く |
| APIキー | 課金や不正利用につながる可能性がある | 値を消して項目名だけ残す |
| パスワード | アカウント保護に関わる | 絶対に貼らない |
| ローカルの詳細パス | ユーザー名や社内構成が見える場合がある | 必要なら「伏せ字のプロジェクトパス」のように一般化する |
| 社内リポジトリ名 | 非公開情報にあたる場合がある | 「private repo」などに置き換える |
| 設定ファイル全文 | 秘密情報や内部URLが混ざりやすい | 該当行だけ伏せて共有する |
doctor の結果を見て、すぐ設定ファイルを直したり、ローカル状態を削除したりするのは避けます。特に認証、キャッシュ、設定、作業ディレクトリに関わる操作は、バックアップや影響範囲を確認してから進めます。
運営者の Windows で試した結果(2026年10月10日)
Windows 11 Home の PC に入っている ChatGPT デスクトップアプリ(Microsoft Store のパッケージ OpenAI.Codex 26.1007.2314.0)で、ログインを使わずに確かめられることだけを試しました。
- PowerShell と Git Bash で
codexと打つと、コマンドが見つかりませんでした。デスクトップアプリは CLI 本体(codex.exe)をアプリのフォルダの中に持っていますが、この PC では PATH には入っていませんでした。ターミナルでcodex doctorを使うには、CLI を別に入れるか、同梱のcodex.exeをフルパスで呼びます。 - 同梱の
codex.exe --versionの出力はcodex-cli 0.162.0-alpha.17.2でした。アプリに同梱された版は、npm などで別に入れた CLI と版が違うことがあります。codex doctorの結果を読む前に、どちらのcodexを動かしたかを--versionで確かめておくと取り違えません。 codex doctor --helpに出た選択肢は--summary(まとめの行と件数だけ)、--json(伏せ字にした機械向けの報告)、--all(長い一覧も全部出す)、--ascii、--no-colorでした。人に見せる時は、伏せ字になる--jsonか--summaryから使います。
診断そのもの(codex doctor の実行)は、出力に認証や環境の情報が含まれるため、このページには載せていません。
FAQ
codex doctorを実行すれば、原因は必ず分かりますか?
必ず分かるとは限りません。インストール、設定、認証、実行環境、Git などを分けて見るための手がかりとして使います。結果だけで断定せず、ログや再現手順も合わせて確認します。
--json の出力をそのまま報告書に貼ってもいいですか?
そのまま貼る前に、秘密情報、ユーザー名、ローカルパス、内部URL、設定値が含まれていないか確認してください。必要な部分だけ抜き出し、伏せた情報も報告書に書くと安全です。
doctorでconfigに注意が出たら、すぐ設定を変えてよいですか?
すぐ変更しない方が安全です。設定変更は他の作業や認証状態に影響することがあります。まず現状をメモし、必要ならバックアップを取ってから小さく確認します。
Codex CLIがPowerShellで実行できない時も使えますか?
実行ポリシーやPATHの影響でコマンド自体が起動しない場合があります。その場合は、エラーメッセージ、OS、ターミナル、実行したコマンドを整理し、秘密情報を伏せて相談します。
出力が長すぎる時はどうしますか?
--summary を付けると、分類ごとの結果の行と、最後の件数のまとめだけになります。気になる分類が見つかったら、通常の表示や --all(長い一覧を省略しない)で詳しく確認します。
公式情報はどこで確認しますか?
CodexやCLIの仕様は変わる可能性があります。OpenAIのCodex関連ドキュメントやヘルプ、現在のCLIのヘルプ表示を確認し、このページは実務での切り分け補助として使ってください。
Codex最新情報
statusとdoctorを分けて確認する
Codex doctor は手元の環境の診断、/status はチャットの中で今のセッションの設定とトークン使用量を見るコマンドです。ログや認証情報をそのまま貼らないことも大切です。


