AISI / Frontier model evaluation / 2026

Laguna S 2.1はコーディングエージェント向き?

Poolsideが公開したLaguna S 2.1は、モデルを巨大化するだけでなく、長時間の検証、やり直し、ツール利用を続ける振る舞いに重点を置いています。数字と実装条件をコーディング用途から読み解きます。

長時間のコーディング作業に照準を合わせたMoE

Laguna S 2.1は、118Bの重みを持ちながら1トークン当たり約8Bを活性化するMoEです。単発のコード補完より、端末、テスト、修正を何度も往復するエージェント型作業を主用途にしています。

「DeepSeekを超えた」は限定的な表現です。 Poolside掲載のTerminal-Bench 2.1ではLaguna S 2.1が70.2%、DeepSeek-V4-Pro-Maxが64.0%でした。 これは端末を使う長時間タスクの特定評価であり、総合性能や全用途での優位を示しません。評価ハーネスやスコアの出所もモデル間で完全には統一されていません。

118B-A8B、最大約100万トークン

項目Laguna S 2.1注意点
総パラメーター118B約1180億
活性パラメーター約8B / tokenMoEで毎回すべてを計算しない
コンテキスト最大1,048,576 tokens配布形式や提供先では256Kの場合がある
Terminal-Bench 2.170.2%thinking有効、Poolsideのagent harness
BF16の重み約236GB複数GPUが現実的
NVFP4約71.9GB量子化による精度・速度差を個別確認
ライセンスOpenMDW-1.1利用時は本文とAcceptable Use Policyを確認

48層、256のルーティング対象エキスパートと1つの共有エキスパートを備え、各トークンでは上位10エキスパートを選択します。thinkingとno-thinkingを切り替えられ、ツール呼び出しの間にも推論を保持する設計です。

Terminal-Bench 2.1は70.2%、ただし首位ではない

公式比較ではDeepSeek-V4-Pro-Maxの64.0%を上回りました。一方、Kimi K3は88.3%、GPT-5.6 Solは88.8%、Claude Fable 5は88.0%であり、Laguna S 2.1が全モデルの先頭に立ったわけではありません。

Poolsideは最終評価の全trajectoryを公開しています。スコアだけでなく、失敗時の再試行、外部検索、ツール形式への追従も確認できます。

thinkingで成功率が上がる代わりに出力が増える

TB 2.1no-thinking 60.4%からthinking 70.2%へ。
DeepSWE16.5%から40.4%へ。
代償平均出力トークンと実行時間が増える。

難しいタスクでは効果がありますが、定型修正まで常にthinkingを使うと、待ち時間と推論コストが膨らみます。

導入時に確認する5項目

  1. 同じagent harness、同じ最大ステップ数で候補モデルを比較する。
  2. 成功率だけでなく、総トークン、実行時間、再試行回数を記録する。
  3. thinkingの履歴を次のターンへ保持できる実装にする。
  4. ツールスキーマとJSON引数を実環境で検証する。公式も第三者ハーネスへの過適合を制限事項に挙げている。
  5. ローカル実行では量子化形式、メモリ、対応ランタイム、実用コンテキスト長をセットで確認する。

確認した公式情報