この段階の課題は「手が足りない」こと
サイトが複数になると、作業の内容ではなく総量が問題になります。1サイトなら回せた手順が、5サイトになると回りません。ここで必要なのは効率化ではなく、やらないことを決めることと、事故を防ぐ仕組みです。
全体の考え方は発信戦略の親ページにあります。
同じ作業を横展開しない
複数サイトを持つと、うまくいった施策を全部に適用したくなります。これは多くの場合、無駄になります。サイトごとに需要の形が違うためです。
| 横展開してよいもの | 横展開してはいけないもの |
|---|---|
| 確認手順、チェックの仕組み | 本文そのもの |
| 公開前の検査スクリプト | ページ構成の丸写し |
| 表記や書式のルール | 反応が出ていない施策 |
とくに本文の使い回しは危険です。同じ文章が複数サイトに出ると、量産されたページに見えます。
作業の前に必ず測る
この段階では、思い込みで作業すると被害が大きくなります。実際、「全ページが十分な分量になっている」と判断していたサイトを測り直したところ、文字数は足りていても他ページと共通の文が大半で、そのページ固有の内容はごくわずかというページが多数見つかりました。
作業を始める前に測るべきものは次の通りです。
- 各ページの固有の文量(全体の文字数ではありません)
- ページどうしの類似度
- sitemapに載っているURLが実際に開けるか
- 文字化けやタグの壊れ
複数サイトで起きる事故
| 事故 | 原因 | 防ぎ方 |
|---|---|---|
| sitemapに載っているのに開けない | 登録だけして本番に置き忘れ | 登録前に本番の応答を確認する |
| 本番とファイルが違う | 直接編集した分が手元に戻っていない | 本番から取得して比べる |
| 自動生成分が管理外になる | 生成物が手元にもsitemapにも入らない | 生成のたびに両方へ入れる |
| 文字化けが混入する | 取得時に文字の区切りが壊れる | 受信データをまとめてから文字に変換する |
並行作業の分け方
複数を同時に触ると、どこまでやったか分からなくなります。実際に機能したのは、時間で分けるのではなく1つの作業単位を1つのサイトに閉じるやり方でした。
- 1サイトに対して、着手前に現状を測る
- そのサイトの作業を最後まで終わらせる
- 終わったら測り直して、変化を記録する
- 次のサイトに移る
途中で別のサイトに移ると、測った数字が古くなり、何が効いたのか分からなくなります。
この段階でやらないこと
- 本文の使い回しによる水増し
- 効果が確認できていない施策の一斉適用
- 測らずに「大丈夫そう」で判断する
- バックアップを公開フォルダの中に作る
- 顧客情報、社内情報、認証情報をAIに渡す
実践ログから分かったこと
複数サイトを同時に扱っていて実際に起きた失敗を1つ挙げます。sitemapとファイルの整合を自動で直す仕組みを作ったのですが、その仕組みは手元のファイルとsitemapしか照合しておらず、本番にファイルがあるかを確認していませんでした。結果として、sitemapに載っているのに開けないURLが生まれました。
もう1つは、本番からページを取得する処理で、受信したデータを順に文字としてつなげていたため、日本語が途中で分断されて文字化けが混入したことです。まとめてから変換すれば起きません。どちらも「動いているように見える」種類の不具合で、測って初めて分かりました。
FAQ
複数サイトを効率よく回す方法はありますか?
同時に触らないことです。1サイトずつ、測る・直す・測り直すを閉じて進めるほうが結果的に速く終わります。
うまくいった施策を他サイトにも適用してよいですか?
手順や検査の仕組みは適用できます。本文とページ構成はサイトごとに需要が違うので、そのまま持ち込まないでください。
作業前に何を測ればよいですか?
各ページの固有の文量、ページ間の類似度、sitemapのURLが実際に開けるか、文字化けの有無です。全体の文字数だけでは不足を見つけられません。
自動生成したページの扱いは?
生成のたびに手元とsitemapの両方へ入れてください。入れないと、その後の改善作業から漏れ続けます。
