リライトは4種類ある
「読みやすくして」と頼んで結果がずれるのは、リライトに複数の方向があるためです。どれをやりたいかを先に決めてください。
| 種類 | やること | 指示の例 |
|---|---|---|
| 短くする | 情報量を保ったまま削る | 「意味を変えず3割短く」 |
| わかりやすくする | 語彙と文の長さを下げる | 「専門用語を言い換えて、1文40字以内」 |
| 調子を変える | 敬語や距離感を変える | 「社外向けの丁寧語に」 |
| 構成を変える | 順番を組み替える | 「結論を先頭に、根拠を3点で」 |
4つを同時に頼むと、どれも中途半端になります。1回に1つです。
意味が変わっていないか
リライトで一番の問題は、読みやすくなった代わりに内容が変わることです。次の箇所は必ず元と照らしてください。
- 数字、日付、固有名詞
- 「〜の場合は」という条件付きの記述
- 断定の強さ(「できません」が「難しい場合があります」になっていないか)
- 否定と肯定の入れ替わり
- 削られた段落(要約になっていないか)
とくに3つ目です。柔らかくする指示は、断定を弱める方向に働きます。断りや謝罪の文章では意図が伝わらなくなります。
直し方の順番
- 元の文章をそのまま渡す(要約して渡さない)
- やりたい方向を1つ指定する
- 出てきたものを、元と並べて読む
- 変わってはいけない箇所を戻す
- まだ足りなければ、元の文章からやり直す
5番が要点です。出力を繰り返し直すと、前の修正が積み重なって意図から外れます。3回直して合わない時は、元に戻って指示を変えるほうが早く収束します。
よくある失敗
- 元の文章を要約して渡してしまい、情報が落ちた状態からリライトされる
- 「もっと自然に」と抽象的に頼み、何度も往復する
- 専門用語を言い換えた結果、別の意味になる
- 短くする指示で、条件や例外が消える
- 敬語を厚くしすぎて要件が読み取れなくなる
そのまま使える指示の形
方向を1つ決めたら、次の形で渡すと結果が安定します。
- 「意味と数字を変えずに、3割短くして」
- 「専門用語を初出で言い換えて。1文は40字以内」
- 「結論を先頭に、根拠を3点にして。条件は削らないで」
- 「社外向けの丁寧語に。前置きと謝罪は増やさないで」
- 「この文章と同じ調子で書き直して」+見本を2本添える
「削らないで」「増やさないで」といった否定形の指定が効きます。何をしてほしいかだけを書くと、頼んでいない部分まで変わります。
元の文章が自分のものでない場合
他人が書いた文章を直す時は、確認の項目が増えます。
- 意図を変えていないか、書いた本人に確認できるか
- その文章を第三者のサービスに入力してよいか
- 直した版を使うことを本人が了解しているか
読みやすくしたつもりが、本人の意図と違う内容になっていることがあります。とくに結論や断りの部分は、直す前に確認してください。
実践ログから分かったこと
リライトで一番痛かったのは、断りの文章を柔らかくした結果、相手に「まだ可能性がある」と受け取られたことでした。文章としては丁寧になっていましたが、結論が伝わっていませんでした。
それ以来、結論にあたる1文だけは自分で書き、その前後の説明だけを整えてもらう形にしています。読みやすさと、意図が伝わることは別の問題です。
FAQ
何度直しても思い通りになりません
出力を直し続けず、元の文章に戻って指示を変えてください。修正を重ねると意図から外れます。
自分の文体を保てますか?
見本を2〜3本渡すと近づきます。完全な再現はできないので、骨格を作らせて語尾は自分で直すのが現実的です。
短くすると内容が変わりませんか?
条件や例外が落ちやすい部分です。数字と「〜の場合は」の記述を必ず元と照合してください。
元の文章はどう渡しますか?
要約せず、そのまま渡してください。要約から作ると情報が落ちた状態で始まります。


